ネットニュース参加者間の対立の定量的分析
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概要
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インターネット上の掲示板サービスであるネットニュースの参加者は、組織の枠を越えて見知らぬ他者との間でさまざまな話題について議論を交わしている。そこでは、参加者間の対立がしばしば観測されるが、そういった対立が参加者達の文化的背景が異なることによるものであることが多くあるように思われる。一方、ネットニュースにおいて一連の議論 (以下、スレッドと呼ぶ)を構成する個々の記事は、記事相互間の参照関係によって木構造に関係づけることができ、また、各々の記事は、その中に含まれるキーワードの出現頻度により特徴づけることができる。そして、キーワードの出現頻度は、主成分スコアに要約される。そこで、我々は、主成分スコアをもとに、自己相関係数とパワースペクトルという二つの特性指標を算出し、それらによりネットニュース参加者間の対立を定量的に抽出することを試みた。ネットニュース上の4つのスレッドにこの手法を適用したところ、2世代を周期とする特性指標の振動が広範に認められ、振動の観測された特性指標の意味と、議論内容を読解することにより得られる対立点とを比較した結果、文化的背景を異にする参加者間の議論において、双方が一致する傾向が認められた。このような対立の定量的抽出手法は、電子的コミュニケーションを介した社会関係を研究する上で有益と考えられる。
- 2000-12-20
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