<論稿>音楽的表現手段の獲得に関する一考察
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概要
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近年,大学生の学力低下は,新聞報道などでもしばしば取り上げられている問題である。たとえば,わり算ができない大学生といった,小・中の教育内容を理解していない学生のデータなども公にされている。このような兆候は,音楽科においても同様である。本文で述べるように,ト音記号とは何なのかを知らない,移動ドで読めないという大学生は珍しくない。音楽科には,この点に関して,さらに憂慮すべき問題を抱えている。たとえば,わり算をできない大学生がいても,その学生が教職をとり,教壇に立った時には,わり算ができないでは済まされない。教材研究はもとより,先だって,わり算とは何か,という概念的研究から教育内容研究を行うことは必至であろう。しかし,音楽科においては,ト音記号とは何かを知らなくても,教壇に立つことを恐れる,という傾向はみられない。知らないことを恥じない。つまり,教育内容研究に対する意識が著しく低いのである。これは,「音楽は楽しく」というスローガンのあまり,幼児期,児童期を通じて,音楽を理解する楽しみより,コミュニケーション的な場の雰囲気の楽しさを追求しすぎた結果でもある。本稿では,このような大学生の傾向から,音楽科の教育内容としての音楽表現手段に関する検討を行った。
- 新見公立短期大学の論文
- 2000-12-25
著者
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