<研究ノート>保育におけるディス・コミュニケーションについての一考察 : レトリック論における「意味生成」原理を手掛かりとして
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概要
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本稿では,レトリカル・コミュニケーション論における「意味生成」回路についての考察を通して,保育場面におけるディス・コミュニケーション状況を指導論の立場から分析する有効な視点を得ることを目的としている。レトリカル・コミュニケーション論では,ディス・コミュニケーション状況を前提とし,聞き手と語り手との乖離を超えるためのコミュニケーション技術を問題としている。よって,そこでは,幾つかの具体的で実践的なコミュニケーションの回路や技法が提示されている。保育指導論においては,極めて実践的な指導技術を如何に整理し一般化するかを命題としている。そういった意味では,コミュニケーションの原理を具体的技法として提示するレトリカル・コミュニケーション論は近接領域に位置すると考えられ,これまでもレトリカル・コミュニケーション理論は教授論,授業論などで広く扱われてきていた。そこで,本稿では,まずレトリック理論の大きな転換時における概念転換についての整理を行い,その上で,「意味生成」の回路における主要な原理((1)「誤解」(2)トポス(3)隠喩)について考察を行いながら,保育実践を分析する際の視点についての幾つか試案を提示している。本稿での試案の立証に関しては次稿へと引き続きたい。
- 新見公立短期大学の論文
- 1999-12-25
著者
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