乳酸菌カルチャーをスターターとして利用した非加熱乾燥食肉製品の大腸菌群への影響
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概要
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乳業で汎用される乳酸菌を豚肉に接種して発酵させた非加熱乾燥食肉製品の新規加工技術を開発するために,豚肉中の大腸菌群に及ぼす乳酸菌接種の影響を調べた.製品は薄切り肉を乳酸菌カルチャーに浸漬して2〜24時間培養後,調味液に一夜浸け,水分活性が0.87未満に達するまで20℃で乾燥させた.市販ヨーグルト5種類に豚肉を浸漬して,37, 43℃で2〜24時間培養した場合には,何れの製品からも大腸菌群は検出されなかった.さらに,Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusとStreptococcus thermophilus混合カルチャーに同様に豚肉を浸漬し,10〜43℃で2〜8時間培養処理した場合にも,大腸菌群は検出されずに106〜107 cfu/gレベルの乳酸菌が生残した.また105 cfu/gレベルのE. coli汚染肉を5, 25℃,及び43℃で培養した場合には,供試乳酸菌の至適温度43℃で8時間培養した場合のみ,pHは7時間後にpH 4.2付近に達し,製品から完全にE. coliは検出されなくなった.以上から乳酸菌接種によって豚肉中の大腸菌群および大腸菌の生育抑制効果が示唆され,特に乳酸菌の至適温度で培養したときにその効果が高まることが明らかになった.
- 2011-02-25
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