人工内耳装用児に見られた聴覚過敏症について
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概要
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われわれが扱った約80名の人工内耳(CI)装用児中,CI装着後聴覚過敏を訴えた子ども9名(5-14歳)の聴覚過敏症の特徴を,非CI児10名(健聴児および感音難聴児各5名,4-12歳)のそれと比較した.CI児9名中6名および非CI児10名中6名はいずれも自閉症スペクトラム障碍(ASD)ないしアスペルガー症候群を伴っていた.聴覚過敏症の原因音は電気掃除機やヘアドライヤー,水洗トイレの音,工事現場の大きな音,大勢の集団のなかの声などであり,これに関してはCI児および非CI児間に違いはなかった.CI児の大部分は聴覚敏症を漸次克服していったが,ASDと重度精神遅滞を伴う1例は5歳のときCIを装着したものの,10歳に達するやCI装用を拒むようになった.その原因は聴覚過敏症と考えられた.これらの知見は,われわれのCI児の聴覚過敏症は多くはASDに帰属するものであり,重症例では聴覚過敏症はCI装用拒否の原因になりうることを示唆している.
- 2011-10-20
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