日光角化症の診断と治療
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日光角化症(AK)は慢性的な日光曝露により,高齢者の顔面に好発する皮膚有棘細胞癌(SCC)の早期段階の病変である。人口の高齢化を反映して日本でも患者数が増加している。AKの多くは長期間,皮膚組織表層に留まるものだが,一部は真皮内浸潤性SCCへと進展し,組織破壊性増大や転移を生じる危険性が出てくる。現時点では,どのAKが何時,真皮内浸潤性SCCへ進展するか予測できない。AKから進展するSCC患者の殆どは高齢者であり,様々な合併症を高頻度に伴うことから,侵襲的な外科手術を十分に実施できないことが少なくない。従って,AKの段階で適切な治療を実施することが望ましい。本稿ではAKの基礎的研究成果や疫学的実態を取りまとめるとともに,AKの診断と治療について,欧米各国の診療ガイドラインを参照しつつ,人種差(スキンタイプ),伝統的治療法および医療保険制度の相違なども考慮に入れ,日常診療に役立つよう,具体的に記載した。
- 2010-09-15
著者
関連論文
- 信州大学医学部附属病院における医師と連携したデータの活用
- 最終講義 メラノーマ研究から学んだこと
- 皮膚科診療におけるダーモスコピーの有用性
- ダーモスコピー : 所見の見方と診断の考え方
- 色素細胞母斑
- 色素性病変をどうみるか?
- 日光角化症の診断と治療
- 日本皮膚悪性腫瘍学会の発展を振り返る
- 日光角化症患者を対象としたイミキモド5%クリームのランダム化二重盲検並行群間比較基剤対照多施設共同試験