サツマイモ茎葉からのポリフェノール大量抽出法と製品特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
実機規模での抽出・素材化することを想定し,ラボ規模での合成吸着剤の選定,ポリフェノール負荷量の検討および実機規模の製造試験を行った.ラボ規模で,合成吸着剤の吸着・溶出条件を検討した.最も吸着能の高い合成吸着剤はSP207であった.ラボ試験の結果を基に実機規模の素材化工程を構築した.この方法ではサツマイモ茎葉100kgから乾燥粉末219gを回収できると示唆された.乾燥粉末のポリフェノール含量は,169g ChA相当量であり,抽出液に対する収率は,34.1%であった.乾燥粉末中に,49.9%のカフェ酸誘導体が含まれていた.カフェ酸誘導体は3,4-diCQA, 3,5-diCQA, 4,5-diCQAの順に多く,ジカフェオイルキナ酸が77.5%を占めた.含量は少ないもののトリカフェオイルキナ酸も認められた.乾燥粉末のDPPHラジカル消去活性は1.91mmol/g乾物重であり,ChAに対する相対活性は75.2%であった.以上のことより,サツマイモ茎葉から,高い機能性を有するポリフェノール粉末を実機規模で製造できることを明らかにした.
- 2010-04-15
著者
-
久米 隆志
鹿児島県農業試験場
-
石黒 浩二
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
-
椎名 隆次郎
日農化学工業株式会社
-
倉田 理恵
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
-
嶋田 義一
鹿児島県農産物加工研究指導センター
-
木村 陽二
株式会社都城くみあい食品
-
久米 隆志
鹿児島県農産物加工研究指導センター
関連論文
- サツマイモ焼酎粕固液分離液を利用したパンの特性
- 有色バレイショ品種「キタムラサキ」, 「ノーザンルビー」および「シャドークイーン」の育成
- ソラマメのしみ症発生に及ぼすカルシウム等の影響
- 塩類集積土壌における堆肥施用が根圏環境および作物に及ぼす影響
- サツマイモ茎葉の血圧降下作用
- 国際ポテト会議2000(World Potato Congress : WPC2000)とオランダ事情
- 酢酸発酵のアントシアニン色素安定性に及ぼす影響
- サツマイモ茎葉からのポリフェノール大量抽出法と製品特性
- 被覆尿素の利用と施肥位置改善による露地野菜の省施肥技術
- 20-35 家畜ふん堆肥ペレットの肥料的利用 : 普通期水稲に対するブレンド施用法(20.肥料・施肥法)
- 生カンショパウダーを添加した麺の性状と食味
- 17 やさい産地の土壌実態とその解析に関する研究 : 第5報 収量水準の異なるハウスピーマン産地の土壌化学性(九州支部講演会要旨(その1))
- 16 やさい産地の土壌実態とその解析に関する研究 : 第4報 前作物の種類とハウスメロン栽培直前の土壌化学性(九州支部講演会要旨(その1))
- 15 やさい産地の土壌実態とその解析に関する研究 : 第3報 水田ハウス土壌の化学性とその経年変化(九州支部講演会要旨(その1))