味細胞の受容機構におけるNO-cGMP系 : クロキンバエを材料として
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概要
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われわれの研究グループではこの数年, クロキンバエ (Phormia regina) を材料に, 味細胞の受容機構の解明に取り組んできた。その過程において, 糖受容を担う味細胞 (糖受容細胞) の受容機構に一酸化窒素 (NO) が関与することを見出した。これは一般によく知られているNOの作動様式とは異なり, 味細胞で合成されたNOをその味細胞自身がセカンドメッセンジャーとして利用する仕組みであることを示唆している。クロキンバエの糖受容細胞ではcGMPがセカンドメッセンジャーとして機能することが従来から示唆されており, NOはcGMPと一連の反応経路を形成して機能している可能性がある。本稿では, われわれがこれまでに得たデータから, NO-cGMP系が糖受容細胞の受容機構に関与する可能性とその役割を考察する。
- 日本比較生理生化学会の論文
- 2006-04-20
著者
-
中村 整
電気通信大学・量子質工学科・生命情報工学講座
-
中村 整
電通大・電気通信・量子物質工
-
中村 整
電気通信大・電気通信・量子物質工
-
村田 芳博
電通大・電気通信・量子物質工
-
後藤 信太郎
電気通信大・電気通信・量子・物質工学
-
村田 芳博
電気通信大・電気通信・量子・物質工学
-
後藤 信太郎
電気通信大学量子・物質工学科
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