ホルスタイン育成牛の隔離ストレス環境における行動反応の個体差と生理反応との関係

概要

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ホルスタイン育成牛8頭を用いて，隔離ストレス刺激に対する行動反応の個体差と，生理反応との関係を調査した．供試牛3頭を一組としてスタンチョン式の実験室に移動した後，全頭に頸静脈カテーテルを装着した．2日後に対象牛1頭を実験室に残し，他の2頭を退出させて社会的隔離状態とした．隔離ストレス刺激負荷の30分前より負荷後の7時間について，30分間隔で採血を，連続して心拍数の記録を行った．また採食行動，佇立姿勢，佇立姿勢での反芻行動，伏臥姿勢，伏臥姿勢での反芻行動の持続時間と，発声回数を記録し，相関係数行列を用いて主成分分析を行った．主成分分析によって得られた第一主成分（寄与率41.6％）は「活動性」に関する特性として解釈し，第二主成分（寄与率32.1％）は「不安」に関する特性として解釈した．得られた主成分得点と，血漿中コルチゾル濃度，ACTH濃度，心拍数との相関分析を行った結果，第二主成分と血漿中コルチゾル濃度に有意な相関が認められた（P＜0.05）．本研究から，隔離ストレス刺激に対する行動反応には個体差があり，不安様傾向が見られる個体は，血中コルチゾル濃度が高いことが示唆された．
社団法人日本畜産学会の論文
2004-08-25