乾乳期短縮が泌乳前期の乳量・乳成分, 血液成分, 疾病発生および繁殖性に及ぼす影響
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概要
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ホルスタイン種乳牛の乾乳期30日への短縮が,次の泌乳前期の乳量・乳成分,TDN充足率,血液成分,疾病発生および繁殖性に及ぼす影響を明らかにするため,分娩前2ヵ月から分娩後3ヵ月まで飼養試験を行った.短縮区は泌乳後期牛14頭を用い,グラスサイレージ(GS)主体給与で搾乳日数を延長,分娩予定の30日前に乾乳し,乾乳後は分娩まで乾草,GS,配合飼料を給与した.対照区は平均乾乳期間110日の乾乳牛14頭を用い,分娩前1ヵ月までは乾草のみ,それ以後は短縮区と同じ飼料構成で給与した.分娩後は両区ともGSと配合飼料を混合して不断給餌した.その結果,乾乳期30日への短縮は,泌乳前期の乳量が抑えられ(P < 0.05),乳タンパク質率が増加し(P < 0.05),体重減少やボディコンディションスコアの低下が小さく(P < 0.05),血液成分では血糖値が上昇傾向(P < 0.10),遊離脂肪酸濃度が低下(P < 0.05)を示し,泌乳前期の栄養状態の改善が推察された.また短縮区は対照区に比べ泌乳前期のTDN充足率が上昇する傾向(P < 0.10)を示した.繁殖性と疾病発生に及ぼす乾乳期短縮の悪い影響は認められなかったが,短縮区の在胎日数が短かった(P < 0.05).
- 社団法人日本畜産学会の論文
- 2011-02-25
著者
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