High Mobility Group Box-1 を治療標的とする脳梗塞治療
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
High Mobility Group Box-1(HMGB1)は,細胞核内に局在するクロマチン結合性の非ヒストンタンパクとして同定され,クロマチン構造の維持機能や転写活性調節,DNA修復等に重要な働きをすると考えられていたが,1999年,Kevin Traceyらの研究グループが敗血症ショックの遅延性メディエータとして再発見し,以後種々の炎症性疾患における関与が次々に示唆されるようになってきた.脳梗塞急性期における血液―脳関門の破綻は,血管内皮細胞,ミクログリア,アストログリア,循環血中白血球の活性化とそれらの相互作用による脳内炎症反応によってもたらされると考えることができるが,このような過程における壊死細胞からのHMGB1の放出は脳内炎症において重要な働きをする可能性がある.最近相次いで報告されてきた脳虚血急性期の脳内HMGB1の動態と,HMGB1を標的としたshRNAや抗HMGB1抗体を用いた治療について,著者らの知見を中心に概説する.
- 2009-11-01
著者
-
西堀 正洋
岡山大学 大学院 医歯学総合研究科 薬理学
-
高橋 英夫
名古屋大学 大学院医学系研究科救急・集中治療医学
-
高橋 英夫
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 生体薬物制御学講座薬理学
-
森 秀治
就実大学 薬学部応用薬学分野 生体情報学
-
西堀 正洋
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 生体薬物制御学講座薬理学
-
西堀 正洋
岡山大学 医歯総合研究 機能制御
-
高橋 英夫
就実大学 薬学部生体情報学
-
高橋 英夫
名古屋大学救急集中治療医学
関連論文
- High Mobility Group Box-1 を治療標的とする脳梗塞治療
- LPSによる肝障害における Nafamostat Mesilate (Futhan) の阻止効果 : TLR4発現からみた基礎的解析(第105回日本外科学会定期学術集会)
- IL-18による人末梢血単核球におけるICAM-1発現の研究
- PP-1201 Colon26担癌悪液質モデルマウスにおける消化管セロトニン動態の解析
- 410 Colon26細胞マウス担癌悪液質モデルにおける消化管モノアミン活性の動態の解析
- 単球の免疫応答に対するスタチンの効果の基礎的検討
- 305 IPSEによるin vivo Th2応答の制御(アレルゲン,抗原5,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- SF-014-3 大腸癌組織における肥満細胞の局在と,肥満細胞トリプターゼによるPAR-2を介する腫瘍増殖促進効果
- 大腸癌組織における肥満細胞の局在と,トリプターゼによるPAR-2を介する腫瘍増殖促進効果
- プロテアーゼ活性化受容体刺激によるヒト大腸腺癌細胞株DLD-1の増殖促進効果
- P-1203 Colon-26マウス担癌悪液質モデルにおける非肥満細胞誘導性ヒスタミンの動態と免疫調節因子としての役割の検討
- 355 Colon-26マウス担癌悪液質モデルにおける非肥満細胞誘導性ヒスタミンの動態と免疫調節因子としての役割の検討
- 抗ヌクレオカイン(抗HMGB1)単クローン抗体の脳梗塞治療への応用(誌上シンポジウム)
- ラット中脳動脈閉塞・再灌流モデルにおける抗 HMGB1 単クローン抗体の治療効果
- PPB-1-016 MLRにおけるアドレナリンβ2受容体作用薬の接着分子発現抑制効果(免疫2)
- 治療
- 重症患者における輸血開始基準について : 無作為化比較対照試験の知見と問題点
- ガイドライン再版に際して浮かび上がった問題点
- 264 ヒスタミンH4レセプターアゴニストによる抗原特異的リンパ球応答の調節
- 273 ヒスタミンによる抗原特異的リンパ球応答の制御
- 分子生物学的診断 : 遺伝子多型の解析による対侵襲ハイリスク症例の分子生物学的診断
- 敗血症に対する遺伝子治療
- 外傷患者に対するショックパンツの使用は生命予後を改善するか -メタアナリシスによる有効性の検討-
- ポリミキシンB少量予防投与の安全性と周術期における効果
- IL-10遺伝子導入による敗血症の制御
- P-460 肝虚血再潅流によるピルビン酸脱水素酵素活性低下は低体温で抑制される
- 394 IL-10遺伝子導入による多臓器障害の抑制
- 周術期サイトカイン変動とTNFα遺伝子のpolymorphismの関与及び多臓器不全患者の予測死亡率と実死亡率
- 血清 diamine oxidase による小腸粘膜機能の評価
- IL-15はMRSA腸炎で産生される
- 少量ポリミキシンBによるエンドトキシン血症の制御
- 抗体医薬が切り拓く先端医療(誌上シンポジウム)
- 治療
- 腹部疾患終末期における尊厳死提示の実状
- 持続血液濾過透析回路内で結晶形成がみられた後発抗凝固薬のその後の添加物改良品についての実験的考察
- 食道切除術におけるメチルプレドニゾロン予防投与の有用性の meta-analysis
- 急性膵炎の診療ガイドライン後の最新知見
- 敗血症に起因した臓器不全に対する治療戦略
- ICU入室中の院内感染症により付加的に発生する医療コストに関する検討 (特集 ICUにおける感染対策はこれでよいか)
- 肝移植周術期における急性血液浄化療法 (第17回 日本急性血液浄化学会PROCEEDINGS-2006) -- (セッション7 肝疾患・アフェレシス・その他)
- 手術室・ICUでの医療安全対策 (特集 医療安全)
- 肝切除術後の予後指標としての入室時血清乳酸値の意義
- CHDF中に発生した抗凝固薬の結晶化と安全対策 (第15回 日本急性血液浄化学会 PROCEEDINGS-2004) -- (セッション2 抗凝固薬)
- 「前向き試験」の必要性とその方向性 (特集 DIC; Now and Future) -- (「救急領域におけるDIC診断基準(案)」の位置づけ)
- 持続ろ過透析実施中の体温変動の意義 (第14回 日本急性血液浄化学会 PROCEEDINGS-2003) -- (セッション1 測定・装置)
- 重症膵炎 (特集 循環動態の把握とその対応) -- (各種病態での循環動態の変動とその対応)
- 外科感染症と遺伝子多型
- 腰痛 (特集 救急患者のみかた--症候学からみた救急臨床研修の到達目標)
- RCTの結果から評価した敗血症性ショックの治療
- ARDSに対する治療の実際 (特集 呼吸管理:最新の知識とノウハウ) -- (ARDSに対する治療戦略)
- 13-5-7 硫酸バリウム造影剤中の CMC-Na によるアナフィラキシーショックの 1 例
- ファモチジンおよびランソプラゾールの長期投与によるマウス胃粘膜ヒスタミン動態の変化
- P19マウス胚性癌細胞の神経系細胞分化における体細胞DNA組換え活性の増加
- ウシ脳由来セリンプロテアーゼインヒビターB-43のクローニングと脳内発現
- 56.disodium cromoglycateのラット肥満細胞からのヒスタミン遊離に対する抑制作用の細胞外Ca依存性(抗アレルギー剤)
- O-19 ELISA 法によるカルボキシメチルセルロースナトリウム感作患者のスクリーニング試験
- 誘導性ヒスタミンによる自然免疫応答の制御機構(誌上シンポジウム)
- 誘導性ヒスタミンによる自然免疫応答制御 (特集 アレルギー炎症反応におけるヒスタミンの役割と抗ヒスタミン薬)
- 4 誘導性ヒスタミンによる自然免疫応答制御 : P.acnes/LPS誘発肝炎マウスにおける解析(17 アレルギー・免疫に及ぼすヒスタミン機能の新展開, 第55回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- ヒト末梢血単核球におけるサイトカイン産生とヒスタミンによる調節
- 急性上気道狭窄により呼吸管理を要した Freeman-Sheldon 症候群の一症例
- 8. 救急医学とEBM (救急医療における最近の進歩)
- 遺伝子多型からみた敗血症性ショックの病態
- ヒスタミン,プロスタグランジンE2とサイトカインシグナル
- 話題 ヒスタミンによるIL-18産生誘導
- アンフォテリン, S100タンパク質とAGE受容体(RAGE)
- 貯蔵型と誘導性ヒスタミン
- 末梢ヒスタミン研究の新たなる展開
- ICUにおけるリスクマネジメントの新しい手法「QFD」 (特集 周術期におけるリスクマネジメント)
- 理論 救急医学におけるEBM (特集 救急医学の理論と実際)
- 遺伝子モニタリング (特集 Critical Careに必要な新しいモニタリング)
- ヒスタミンのIL-18産生誘導とIL-18誘導性免疫反応への関与
- 敗血症性 disseminated intravascular coagulation (DIC) における antithrombin 製剤投与前後での活性値の意義
- SF-046-5 敗血症性DICに対するアンチトロンビン製剤とトロンボモジュリン製剤の使用戦略(SF-046 サージカルフォーラム(46)救急 治療,第112回日本外科学会定期学術集会)