炭素循環から考える新生代のグローバル気候変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The global carbon cycle controls the climate change in the Earths environment on a geological timescale and is mainly associated with greenhouse effects produced by atmospheric carbon dioxide (CO2) and methane (CH4). This paper reviews the relationship between the global carbon cycle and presumed climate events during the Cenozoic. The global carbon cycle is primarily regulated by the balance between weathering and metamorphism-volcanism. Moreover, the organic carbon subcycle involving oxidative weathering and burial is of secondary importance. The balance of these geochemical processes results in variations of atmospheric CO2. The past climate on a geological time scale is reconstructed by several geochemical and paleontological methods or proxies. For example, sea-surface and deep-water temperature are deduced from oxygen isotope ratio and Mg/Ca ratio of foraminiferal tests. Terrestrial atmospheric temperature is estimated from leaf fossil and paleovegetation. Atmospheric CO2 level is calculated from carbon isotope ratios of phytoplankton and soil carbonate, stomatal density of leaf fossil, boron isotope ratio of foraminiferal test, Ce anomaly, and global carbon cycle modeling. It is important to consider their advantages and disadvantages in order to evaluate the paleoclimate adequately. Next, we discuss climate change based on these proxies. As a general trend, the Cenozoic climate change is characterized by a transition from ice-free to ice-covered conditions across the Eocene/Oligocene boundary. The Earths surface environment was significantly warmed from the Paleocene to the Eocene by high levels of atmospheric CO2. Thereafter, it gradually cooled towards the present, which is possibly attributed to changes in ocean currents and other marine environments accompanying continental drift. This trend has been punctuated by several short-term climate events. The Paleocene-Eocene Thermal Maximum (PETM) was a remarkable warming event at the Paleocene/Eocene boundary, possibly attributed to the release of methane from hydrates into the atmosphere. Rapid cooling occurred at the Eocene/Oligocene boundary to form extensive continental ice sheets including the Antarctica, which seems to have been caused by atmospheric CO2 and change of oceanographic circulation and marine environment. After a moderate period from the late Oligocene to the early Miocene, there was a transient but significant warming in the middle Miocene. Since then, the Earths environment has gradually cooled towards the present accompanied by the evolution of glaciations and marine environmental changes but a causal link between cooling and global carbon cycle has recently been pointed out. Although the carbon cycle including atmospheric CO2 and CH4 cannot explain all of the global climate changes in Cenozoic, it has undoubtedly played a dominant role on the Earths climate.
- 2008-12-25
著者
-
鹿園 直建
慶應義塾大学
-
柏木 洋彦
慶應義塾大学理工学部応用化学科
-
小川 泰正
東北大学大学院環境科学研究科
-
小川 泰正
東北大学 環境科学
-
鹿園 直建
慶應義塾大学理工学部地球科学教室
-
小川 泰正
東北大学大学院 環境科学研究科
-
柏木 洋彦
慶應義塾大学大学院 理工学研究科
関連論文
- 秋田県玉川温泉を起源とするレアメタル資源の形成
- 岩石-水相互作用による地下水水質変化
- 福島県内に流通する家畜ふん堆肥中の微量元素濃度の実態
- 玄武岩質岩石へのCO_2地中貯留の適用 : 反応速度モデルにもとづく溶解・沈澱シミュレーションによる鉱物トラッピングの推定
- 北海道幌延地域の水-堆積岩反応実験による水質変化,とくにpH変化要因の解明
- CO_2地中貯留への適用のための玄武岩質岩石の溶解実験 : 反応実験による溶解速度定数の推定
- 炭素循環から考える新生代のグローバル気候変動
- 北海道幌延地域の水-堆積岩反応実験による水質変化, とくにpH変化要因の解明
- 堆積岩類からの重金属の抽出試験に対する粒径の影響
- 都市公園化されたクロム鉱滓の埋立処分地における環境保全の検討
- 堆積岩の化学組成及び同位体組成より推定した古日本海海洋環境
- 化学的風化に伴う微量・希土類元素の挙動 : 男鹿半島, 女川層堆積岩の例
- A16 フィリピン国ルソン島北西部のアルカリ環境下におけるベントナイトの鉱物学的特性(口頭発表,一般講演)
- 地球システムにおけるグローバル物質循環--炭素循環と気候変動
- 二酸化炭素帯水層貯留量推定における問題点
- 日本の堆積盆を想定した二酸化炭素地中貯留における水-岩石反応の検討 : 千葉県房総半島の例
- 新生代後期におけるグローバルストロンチウム循環と風化作用の関係
- 堆積岩地域へのCO_2貯留に関する検討
- 堆積岩地域へのCO_2貯留に関する検討
- 新生代におけるグローバル炭素循環と気候変動との関係 : CO_2は長期的気候変動の主要因か?
- 竜の口層の堆積岩における重金属類の溶出挙動および形態変化に及ぼす風化の影響
- 多段階ろ過からみた風化粘板岩からの元素溶出挙動
- 地圏における重金属類の分布と岩石からの移行プロセスにおける化学形態に関する基礎的検討
- 流動ー溶解・沈殿カイネティックスモデルにもとづく花崗岩地域の地下水水質の解釈
- 土壌構成鉱物の化学風化,溶解速度と元素移動度 : 神奈川県秦野市黒ぼく土の例
- 地下処分されたクロム鉱滓と底質土中の重金属類の現状と環境保全に関する法的問題点--東京都江東区・江戸川区の旧中川流域及び風の広場地域を例として
- 高レベル放射性廃棄物地層処分の安全性評価のためのナチュラルアナログ研究 : 風化作用による元素の移行挙動
- 化学的風化作用に伴う石膏の生成と源岩鉱物組成との関係 : 秋田県男鹿半島女川層堆積岩の例
- 神奈川県秦野地域の土壌水、河川水の湧水水質に与える影響について
- 玄武岩ガラスの長期溶解速度の推定:富士火山地域の例
- 宮城県牡鹿半島と宮戸島の鳴き砂の元素挙動と地球科学的考察
- 鳥取県青谷浜の鳴き砂の地球化学的考察
- タービダイトシークエンスの地球化学的研究による古海洋環境推定 : 千葉県房総半島安房層群安野層の例
- 高レベル放射性廃棄物地層処分における地下水・熱水-岩石相互作用の重要性
- 高レベル放射性廃棄物地層処分における地下水・熱水-岩石相互作用の重要性
- 熱水変質に伴う希土類元素の地球化学的挙動--熱水系におけるAm,Cmの移行遅延に対する示唆
- 高レベル放射性廃棄物からの核種移行に対する固溶体鉱物-水溶液間の元素分配の役割
- 希土類元素からみた黒鉱鉱床中の硬石膏の成因論的考察
- 石垣島安良崎のサンゴ骨格の酸素同位体比にみる冬期の水温変動と1988/1989年気候レジームシフト
- 150℃,NaHS溶液中における白鉛鉱の方鉛鉱による交代組織に関する実験的研究
- 都市河川の汚染問題 : ―東京都旧中川流域河川水・堆積物中の重金属元素汚染に関する地球化学的研究例―
- 長期的核種移行評価方法としてのナチュラルアナログ研究の意義 (地質環境の長期安定性(下)高レベル放射性廃棄物の地層処分と地球科学)
- 炭酸塩-珪酸塩平衡から推定した初期地球大気の二酸化炭素分圧
- 堆積岩の溶解実験--帯水層CO2地中貯留に関する基礎的研究
- 偏光式エネルギー分散型蛍光X線分析法による土壌および底質中の微量元素の同時分析
- 硫黄同位体から推定した第三紀中新世瑞浪層群の堆積・続成環境
- 束沸石の水熱反応実験
- 白鉛鉱(PbCO_3)から方鉛鉱(PbS)への交代作用の実験的研究
- 灰重石 : MnCl_2 : H_2O系における交代作用のメカニズムに関する実験的研究
- 15℃ scheelite (CaWO^4)-塩化マンガン水溶液系における交代作用のメカニズム-
- 固体地球科学における非平衡現象
- 山梨県白州地域における地下水-岩石相互作用とCO_2地中貯留における母岩の役割
- 東濃ウラン鉱床周辺堆積岩中炭酸塩鉱物の希土類元素に関する地球化学的研究 : 高レベル放射性廃棄物地層処分に関するナチュラルアナログ研究の例
- 不整合関連型および砂岩型ウラン鉱床の成因に関する最近の考え
- 始生代の地球表層環境 : 二酸化炭素分圧, 酸素分圧, メタン分圧
- 石垣島安良崎のハマサンゴ骨格の酸素・炭素安定同位体比の環境プロキシとしての評価
- 交代組織と交代作用のメカニズム
- 関東ローム層中の長石と輝石の溶解 : ゴールディッチの風化系列の検討
- 分散型CCSに基づく我が国における二酸化炭素の貯留量の推定
- 偏光式エネルギー分散型蛍光X線分析法による土壌および底質中の微量元素の同時分析
- 酸性土壌中の微量・希土類元素の移行挙動とその支配要因
- 玄武岩ガラスの風化プロセスにおける希土類元素,ウラン,トリウムの地球化学的挙動に関する研究
- 黒ボク土中の重金属元素の移行挙動とその支配要因
- 27pTN-1 ポジトロニウムによるスメクタイト層間の研究(27pTN X線・粒子線(陽電子・電子線),領域10(誘電体,格子欠陥,X線・粒子線,フォノン))
- 石膏-水溶液間の元素分配に関する実験的および分析的検討
- 水溶液 : 無機・生体鉱物間微量元素分配とその環境問題への応用
- 化学的風化作用による大気からのCO2の除去フラックス推定上の問題点 : 珪酸塩と炭酸塩風化フラックス
- 石垣島安良崎のサンゴ骨格の酸素同位体比にみる冬期の水温変動と1988/1989年気候レジームシフト
- 教育用「地球システム・モデル」の開発
- 珪酸塩鉱物の水溶液に対する溶解速度 : 実験値とフィールド値の比較と流動・溶解カイネティックスモデルによる地下水組成の解釈
- 分散型CCSに基づく我が国における二酸化炭素の貯留量の推定
- 地球システムにおけるグローバル物質循環 : 炭素循環と気候変動
- 旧ユーゴスラビア諸国の金属鉱物資源(1)メタロジェニーとプレートテクトニクス (特集 東欧諸国の地質と鉱床(2))
- 竜の口層試料からの重金属類の溶出 (自然由来による土壌・地下水汚染特集)
- 3-2 フッ化水素酸一過塩素酸分解法で求めた土壌中のCr,Zr,Snの全含量は真値より小さい場合が多い(3.土壌分析法)
- 酸性河川中でのレアメタル(In,Ga)および有害元素(As,Pb)の吸着・分別挙動に関する実験的研究
- 東濃ウラン鉱床周辺堆積岩中炭酸塩鉱物の希土類元素に関する地球化学的研究 : 高レベル放射性廃棄物地層処分に関するナチュラルアナログ研究の例
- 都市河川の汚染問題 : 東京都旧中川流域河川水・堆積物中の重金属元素汚染に関する地球化学的研究例
- 化学的風化作用の河川水水質,特に溶存シリカ濃度に与える影響
- 水-岩石反応による地下水中の主化学成分組成の変化(II) - 反応速度と流動の影響 -
- 水-岩石反応による地下水中の主化学成分組成の変化(I) - 化学平衡とマスバランス -
- わが国の自然環境の特質と環境問題
- 鉱物-雨水・地下水反応による地下水の水質形成と風化作用の解釈 (環境と粘土)
- 旧ユーゴスラビア諸国の金属鉱物資源(2)金属資源各論 (特集 東欧諸国の地質と鉱床(2))
- S1 珪酸塩鉱物と天然水 (地下水・熱水) の相互作用
- ハンガリ-のメタロジェニ-と金属鉱物資源 (特集 東欧諸国の地質と鉱床)
- 新生代における熱水活動とグローバル二酸化炭素循環
- 第三紀気候変動に対するグローバル二酸化炭素循環の影響
- 背弧海盆熱水系における海水-岩石相互作用の特徴とその地球表層環境への環境
- Risk assessments of Arsenic in tsunami sediments from Iwate, Miyagi and Fukushima Prefectures, Northeast Japan, by the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake
- 温泉水からの人工レアメタル鉱床形成(レーダー)
- 東北地方北部の金属鉱床に随伴する高インジウム鉱石の形成条件
- 150℃, NaHS溶液中における白鉛鉱の方鉛鉱による交代組織に関する実験的研究
- 六価クロムを含む土壌からのクロム溶出の支配要因に関する土壌-水溶液反応実験
- 酸性河川中でのレアメタル(In, Ga)および有害元素(As, Pb)の吸着・分別挙動に関する実験的研究
- 玄武岩ガラスの長期溶解速度の推定 : 富士火山地域の例