小児期発症膜性腎症の臨床的検討
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概要
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膜性腎症は特発性と二次性に分類されるが,小児においては原因不明な特発性が多いといわれている。われわれは特発性膜性腎症 (IMN) と二次性のうち最も症例数の多かったHBV関連膜性腎症 (HBMN) を抽出し,後方視的に比較検討を行った。1985年から2007年までに当科で経験した膜性腎症のうち27例 (男児20例,女児7例) を対象とした。検討した膜性腎症27例のうち,特発性膜性腎症は17例とHB関連膜性腎症10例であった。そのうち学校検尿による発見が59%を占めていた。電顕での病期分類はIMNでI期4例,II期9例,III期4例であり,HBMNでI期3例,II期6例,III期4例と両群ともにII期が多く,IV期は認めなかった。治療の有無にもかかわらず,IMN,HBMNともに約10年の経過で尿所見が消失する例が多いことが判明した。本邦の小児期発症膜性腎症は成人とは異なった病像を示すと考えられ予後良好と考えられた。
- 2009-04-15
著者
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谷澤 隆邦
兵庫医科大学小児科
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谷澤 隆邦
虎の門病院(共済) 小児科
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谷澤 隆邦
日本大学 医学部小児科
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高橋 千晶
兵庫医科大学小児科
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前 寛
兵庫医科大学小児科
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服部 益治
兵庫医科大学 小児科
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柴野 貴之
兵庫医科大学小児科学
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前川 講平
兵庫医科大学小児科
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澤木 潤子
兵庫医科大学小児科
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柴野 貴之
兵庫医科大学小児科
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谷澤 隆邦
兵庫医科大学 小児科
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服部 益治
兵庫医科大学小児科学
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服部 益治
武庫川女子大学 食栄
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服部 益治
兵庫医科大学
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澤木 潤子
兵庫医科大学ささやま医療センター小児科
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