ポリクオタニウム-51含有エタノールの手指消毒効果とマウス皮膚保護作用
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概要
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エタノール(EtOH)に皮膚保護剤polyquaternium-51(PQN)添加の影響を,30秒ラビングによる手指消毒で検討した.17.5%PQNによる手指消毒前後のコロニー数は,それぞれ112.5 cfu/handと123.7 cfu/handであり,PQN自体に抗菌力は認めなかった.そこで除菌率を求めたところ,83%EtOH単独と16.6%PQN含有83%EtOHの除菌率は,それぞれ96.4%と96.5%であり,PQNはEtOHの消毒力に影響を与えなかった.さらにPQN含有80%EtOHの除菌率96.2%に対して,塩化ベンゼトニウム(0.2%)を添加すると,除菌率は99.5%となり除菌効果が増強された.またマウス背部に80%EtOH単独あるいはPQN-80%EtOH,100 μLを1日2回,10日間塗布したところ,EtOH単独塗布群の局所水分保持量は,無処置対照群より有意に減少したが,PQN-EtOH塗布群は,無処置対照群の水分保持量レベルを維持していた.これらのことから,PQN含有EtOHは,消毒力の面に加え手荒れを予防の面からも,看護・医療の場で有用な手指消毒剤であると考えられた.
- 日本環境感染学会の論文
- 2008-03-25
著者
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小尾 信子
富山大学医学部医学科和漢診療学
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落合 宏
富山大学 医学部看護学科基礎看護講座
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落合 宏
富山大学医学部看護学科人間科学
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宮崎 剛
日本油脂(生命科学製品部門)
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安東 則子
富山大学医学部看護学科人間科学
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