コメおよびソバ中のオクラトキシン分析法の単一試験所による妥当性確認
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概要
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オクラトキシンA(OA)はアスペルギルス属とペニシリウム属の一部の菌が作るマイコトキシンで,穀類,コーヒー,ワイン,乾燥果実や肉製品など多くの食品を汚染する.しかしアジアの人にとっての主食である米のオクラトキシン汚染はあまりわかっていない.ここでは,ジャポニカタイプの白米と玄米,餅米,インディカタイプの玄米とソバの5 種類の試料を用いて,コメとソバ中のオクラトキシンAの分析法を検討した.試料に0.1 − 10.0 μg/kg のOA を添加しての直線性試験と,0.5 と5.0 μg/kg のOA を添加しての日内と日間の再現性試験を行った.OA はアセトニトリル/ 水で抽出,イムノアフィニティーカラムで精製後,蛍光検出HPLC で分析をした.0.5 μg/kg 濃度での回収率とその相対標準偏差は,日内が64.5 − 110.2 %で5.7 − 16.7 %,日間が55.8 − 99.6 %で4.3 − 15.0 %であった.0.2 − 10.0 μg/kg の範囲での回収率の平均は89.6 − 118.1 %の範囲であった.これらの結果から,この方法によって,0.2 − 10.0 μg/kg の範囲でコメ(白米,玄米)とソバ中のオクラトキシンA を分析できることが確認された.
- 2007-07-31
著者
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