血友病A患者に対する人工関節置換術時の第VIII因子製剤の持続輸注
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概要
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持続輸注は凝固因子活性レベルを一定に保つことができ安全で経済的な方法といわれているが, 止血管理するための基準となるクリアランス値の設定も問題の一つとして挙げられる. 今回クリアランスの理論値として2.5単位/kg/hrを用いて27例30関節の人工関節置換術の止血管理を行い, 実際のクリアランス値の経時的変化を検討した. 今回行った27例の注入試験の回収率(108%)や半減期(10.8時間)結果は, この理論値に矛盾しなかった. クリアランス値は手術開始時2.84単位/kg/hr, 術後13日目で1.75単位/kg/hrであった. 第VIII因子活性はそれぞれ120%と100%であり, これは目標とした凝固因子活性レベルより高めであった. 凝固因子製剤は溶解後最長24時間室温で放置されていたが因子活性の低下はなかったことから, 持続輸注による整形外科大手術はクリアランス理論値を考慮し行えば安全に行える方法である.
- 日本血栓止血学会の論文
- 2006-02-01
著者
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竹谷 英之
東京大学医科学研究所附属病院関節外科
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梶原 真清恵
独立行政法人国立病院機構福井病院 小児科
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竹谷 英之
独立行政法人 国立病院機構 福井病院 リハビリテーション科
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梶原 真清恵
独立行政法人 国立病院機構 福井病院小児科
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