関節リウマチにおける自己抗体の産生機序と病因性
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概要
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関節リウマチ(RA)は世界で有病率約1%と頻度の高い自己免疫疾患であるが,病因については不明な点が多い.昨今B細胞表面抗原に対する抗体である抗CD20抗体がRAにも効果が強いことが証明され,自己抗体やB細胞の重要性が示唆されている.RAでは30年以上前よりリウマトイド因子(RF)を自己抗体のマーカーとしてとらえてきが,その病原性については明らかでなく,病勢を反映しないことも臨床上しばし見かける.抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体は多くの症例に認められ注目を集めているが,その他にも抗glucose-6-phosphate isomerase (GPI)抗体,抗カルパスタチン抗体,可溶型gp130に対する抗体,II型コラーゲンに対する抗体などがRA患者血清に同定されている.今回の総説ではRAにおける上記自己抗体の病原性と産生機構に焦点をあて,特にそれらを考える上で重要な自己反応性T細胞,免疫複合体やFcガンマ受容体(FcγR)などについて,主にヒトの解析から判明してきた最近の知見を含めて述べさせていただく.
- 日本臨床免疫学会の論文
- 2005-12-31
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