PCB光分解処理プラントにおける内部照射型装置の有意性
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概要
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ポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyls: PCB)の化学処理方式の一つに光/触媒分解法がある.光分解装置は紫外線ランプと反応容器で構成されており,ランプと反応容器の位置関係から内部照射方式と外部照射方式に分類される.この両方式はそれぞれ一長一短があり,一般に紫外線利用率は内部照射方式がよく,メンテナンスの観点からは外部照射方式がよいと言われている.プラントでどちらを採用するかは大きな問題であるが,外部照射型装置における紫外線利用率の定量的な特性に関する報告は著者らの知る限りないため,実験とシミュレーションによる比較検討を行った.内部照射型装置と外部照射型装置における溶液の紫外線吸収エネルギーに対するPCB分解速度はほぼ等しいことを確認したが,その紫外線利用率を実測したところ内部照射型装置で64%,外部照射型装置で2%と大きく異なっていた.外部照射型装置の紫外線利用率を3次元モンテカルロシミュレーションにより解析した結果,外部照射型装置では装置の内部の天井や床面で紫外線が熱に変換する影響やランプの自己吸収等による影響で溶液の紫外線吸収エネルギーが減少していることが明らかになった.その影響を抑えるためにランプと反応管の距離をより短くして装置内部のランプと反応管をより密に充填する対策を検討した.紫外線利用率を計算したところ最大30%程度になった.1日あたりPCBを500 kg処理するプラント条件で内部照射型装置と外部照射型装置における年間運転費とメンテナンス性について評価した結果,光/触媒分解法では内部照射型方式を採用することになった.
- 2007-07-20
著者
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浅野 史朗
(株)東芝
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田嶋 直樹
(株)東芝 事業開発推進統括部
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小原 敦
(株)東芝 技術管理部
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浅野 史朗
(株)東芝 磯子エンジニアリングセンター
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田嶋 直樹
(株)東芝電力システム社 Pcb処理事業推進室
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