日本人高齢者の生業とソマトタイプ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
子どもから老人に至るまで,一般日本人のソマトタイプの研究はほとんど行われていない。さらにまた生業,生活環境を考慮したソマトタイプの研究は内外を問わず全く行われていない。本研究は長年一定の職業に就いてきた高齢者が,どのような体形特徴を持つかを知るために行われた。対象は日本の伝統的な生業である農業,漁業に従事する集団と,多様な職業が混在する大都会の集団で,被験者の年齢は50代から90代である。農村被験者男51名,女42名,漁村被験者男53名,女48名,東京都心の被験者男55名,女66名の身体測定を行い,Heath-Carter法によりソマトスコアを算出した。その結果,身体サイズは男女とも農村と漁村の間に差はないが,都心の被験者は体が大きいことが分かった。これには生業に伴うエネルギー消費の違い,食習慣の違いの他に,通婚圏の広さの違いも重要な要因になっていることが示唆された。また,ソマトタイプには地域差ないし生業による差が認められた。都心の男女には内胚葉型が多く,農・漁村では中胚葉型が多かった。特に漁村の女性では中胚葉要素が強く,そのためソマトタイプの男女差は漁村で小さいことが分かった。
- 2006-12-01
著者
-
川田 順造
神奈川大学日本常民文化研究所
-
佐藤 陽彦
九州芸術工科大学
-
芦澤 玖美
大妻女子大学人間生活科学研究所
-
加藤 純代
大妻女子大学人間生活科学研究所
-
熊倉 千代子
大妻女子大学人間生活科学研究所
-
楠本 彩乃
株式会社新栄
-
河原 雅典
大妻女子大学人間生活科学研究所
-
河原 雅典
大妻女子大学
-
佐藤 陽彦
九州芸術工科大
-
佐藤 陽彦
九州芸術工科大学 人間工学教室
-
佐藤 陽彦
鹿児島大学 保健
-
川田 順造
神奈川大学
関連論文
- 文化人類学とは何か(学会賞受賞記念論文)
- 若年女性における体肢プロポーションと筋量との関係
- 成人男性における咬筋の筋断面積と咬合力に関する研究
- 日本人高齢者の生業とソマトタイプ
- 上腕部筋横断面積と筋力に関する研究
- 回復期の生理的指標による動的筋作業の生理的負担の評価-2-作業強度および作業時間を変えた場合
- 回復期の生理的指標による動的筋作業の生理的負担の評価-1-作業の種類および強度を変えた場合
- 動作空間の計測に関する研究
- 日常生活における表面筋電図から見た筋活動
- 手の最大作業域について
- Seasonal Variation in Sweating Threshold of Men
- 19 等尺性収縮における筋疲労時の自覚症状と表面筋電図及び心拍数の関係
- 等尺性収縮での筋の収縮強度と疲労性 : 大会記事
- 運動経験の差が咬合力および顔面形態へ及ぼす影響
- 日本人成人男女259名における大腿部筋群横断面積と筋力の年齢変化について
- 超音波体肢横断面画像撮影システムの開発
- 水中自転車エルゴメータの開発
- 移動体ロボットに対するヒトの個体距離 : (第2報) 高齢者について
- 色温度の異なる高照度光が生体に与える影響について
- 移動体ロボットに対する高齢者の個体距離
- 色温度の異なる高照度光が生体に与える影響について
- 移動体ロボットに対する高齢者の個体距離
- 移動体ロボットに対するヒトの個体距離
- パソコンソフトの日本語メニューの標準化
- 低温環境における局所加温が生理的反応に及ぼす影響
- 移動体ロボットに対するヒトのパーソナルスペース
- 住宅空間の使用実態に関する研究
- 加齢による色彩弁別能力の変化
- 奥行弁別作業における眼の焦点調節機能とその訓練方法に関する研究
- 女性の性周期が一過性聴覚閾値移動(TTS)に及ぼす影響およびTTSの性差
- 郡部と都市部の幼児の生活および発達について
- 平仮名と片仮名の異同判断における左右大脳半球の機能差
- 二次課題成績とFmθによる短期記憶作業の精神的負担の評価
- "いらいら"の構造
- 能動的触知覚を用いた文字認知における左右差
- 性役割の形成に注目して : 幼児の生活行動の発達と性差
- 気温50℃における安静男女の生理反応について
- インターネットによる要介護者・ホームヘルパー支援システム
- ホームヘルパー支援システムにおける介護データ入力インタフェースの検討
- ローカルエリアネットワークによる福祉施設入所者介護支援システム
- 高齢者日常生活活動記録システム
- 寒冷環境下の直腸温低下度と形態との関係に及ぼす季節の影響
- 高温環境曝露時の安静男性の体温変化
- ヒトの歩行 : 歩幅, 歩調, 速度およびエネルギー代謝の観点から
- ヒトの骨格筋における筋繊維型の変化
- 骨成熟と骨年齢の評価
- 日本人成人女性の足部形態の加齢変化
- 休憩所における着座姿勢に関する実態調査 : 若年群と高年群の比較
- 低温曝露における色温度の自律神経に及ぼす影響 : 一般口演 : 生理人類学会第31回大会
- 色彩の違いは体温に影響を及ぼすか? : 一般口演 : 生理人類学会第31回大会
- 自律神経に及ぼす色彩の環境(第2報) : 一般口演 : 生理人類学会第31回大会
- 色の違いが視覚誘発電位に及ぼす影響 : 生理人類学会第28回大会
- 照明と環境温度の複合効果が生体に及ぼす影響 : 生理人類学会第28回大会
- 低圧酸素環境が視覚に及ぼす影響 : 第2報 : 生理人類学会第28回大会
- 低圧環境が視覚,触覚系に及ぼす影響 : 生理人類学会第28回大会
- 照明環境の違いが波ゆらぎに及ぼす影響 : 生理人類学会第27回大会
- 身長・胸囲・体重にみられる最大成長速度年齢の相互関係について
- 精神分裂病通院患者の生活上のニーズと生きがい感-性による違いを中心に-
- 日常の履物が異なる成人女性4民族の足形状の比較
- 西アフリカ諸民族の生体計測調査 : 身体技法との関連(その1)
- 漢字2文字の視認知における左右大脳半球機能差
- 松園万亀雄 責任編集, 『性と出会う : 人類学者の見る,聞く,語る』, 東京, 講談社, 1996年2月, 282頁, 1,700円 / 藤井知昭(監),民博「音楽」共同研究(編), 『音のフィールドワーク』, 東京, 東京書籍, 1996年3月, 439頁, 3,800円 / 米山俊直著・村上敏弘(写真), 『モロッコの迷宮都市フェス』, 東京, 平凡社, 1996年6月, 295頁, 2,500円 / 田中二郎・掛谷誠・市川光雄・太田至編著, 『続自然社会の人類学, 変貌するアフリカ』, 京都, ア
- 日本人乳幼児の身体測定データ 2.周径と特殊項目
- 日本人乳幼児の身体測定データ : 1.体重,高径,足長,皮脂厚
- ジョルジュ・オリヴィエ先生の思い出
- 漢字と平仮名の視認知における視野の左右差と大脳半球機能差との関係
- 村武精一著, 『アニミズムの世界』, (歴史文化ライブラリー 16), 東京, 吉川弘文館, 1997 年 6 月, 204 頁, 1,700 円
- 5.人間の行動粋性とデザイン : シンポジウム(1):デザインと人間工学 : 生理人類学会第25回大会
- 手指触覚によるアルファベット文字およびドット数の知覚における左右差
- 都市施設の利用圏域について
- 児童の手指動作と生活行動について
- ヒトの骨格筋の筋繊維組成とパフォーマンス
- 菅原氏の書評への補足
- What is Cultural Anthropology?
- 〔日本文化人類学会〕学会賞受賞記念論文 文化人類学とは何か
- マンデ音文化とハウサ音文化 : イスラーム音文化の地方的展開 (音文化の地域的展開を探る : イスラームを手がかりに)
- 音文化の地域的展開を探る--イスラームを手がかりに 序にかえて (特集 音文化の地域的展開を探る--イスラームを手がかりに)
- 「民族」概念についてのメモ(「民族」「人種」概念の現在 : アンケート調査のまとめとコメント)
- 開発と文化 : 技術文化の多様性をめぐって
- 文化の比較可能性 : アフリカ・ヨーロッパ・日本
- 櫻井哲男著, 『アジア音楽の世界』, 京都, 世界思想社, 1997 年 10 月, 282 頁, 2,300 円
- ヨーゼフ・クライナー編, 『地域性からみた日本:多元的理解のために』, 東京, 新曜社, 1996年12月, 297頁, 3300円
- 《特集》「琉球」研究を求めて
- 文化的自画像 : 名乗られたものとしての文化(文化的自画像 : 名乗られたものとしての文化)
- 肖像と固有名詞 : 歴史表象としての図像と言語における意味機能と指示機能
- 民族のこころ(68) : キェンキェンデー!
- 言語文化調査票
- 口頭伝承の比較研究
- ニジェル河大湾曲部とハウサ地方の物質文化
- 民族のこころ(34) : 「何か」が足りない
- シンポジウム12 アフリカ社会の口頭伝承
- B-11-2 : アフリカ : 民族学
- 動的・批判的人類学についての考察
- 『日本民俗学大系 : 第 9 巻 芸能と娯楽』, 東京, 平凡社, 1958, 339p., 580 円
- 『日本民俗学大系 : 第 7 巻 生活と民俗 II』, 東京, 平凡社, 1959, 336p., 580 円
- Cahiers d'Etudes Africaines の発刊
- 「日本民俗学大系第9巻芸能と娯楽」
- 「日本民俗学大系第7〜13巻」
- 「日本民俗学大系第7巻生活と民俗2」
- アフリカの歴史と文化・風土、そして日本(インタビュー,アフリカ・アトラス-サブサハラと日本の都市・建築)