外科的矯正治療を行った反対咬合患者の構音障害と構音訓練について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
外科的矯正治療を必要とする反対咬合患者を対象に,外科的矯正治療後の構音障害の経過と構音訓練の必要性,有効性について検討を行った.術前には,反対咬合のみの症例では,反対咬合の程度が重い症例に歯間音が多く発症していたが,反対咬合のみの症例よりも反対咬合と開咬をあわせもつ症例がoverjetの値に関わらず,歯間音が多く発症する傾向がみられた.術後は,構音訓練による構音の改善が60%の症例に認められた.このことは,咬合の改善の得られた術後にあってもなお歯間音は存在すること,そしてその習慣化された歯間音は構音訓練によって改善が得られることがわかった.歯間音は,改善された咬合の状態を後戻りさせる舌の動きでもあることから考えると,構音訓練の意義は大きいといえる.
- 日本コミュニケーション障害学会の論文
- 2006-08-31
著者
-
工藤 元義
北海道大学歯学部口腔外科学第一講座
-
山本 悠子
北海道大学歯学部附属病院特殊歯科治療部言語治療室
-
工藤 元義
北海道大学病院. 口腔総合治療部
-
山本 悠子
北海道大学病院高次口腔医療センター
-
工藤 元義
北海道大学歯学部口腔外科学第1講座
関連論文
- 口蓋裂術後瘢痕組織の分布 : レーザードップラー血流計による解析の考案
- 北海道大学歯学部附属病院特殊歯科治療部口蓋裂外来20年間の臨床統計
- 粘膜下口蓋裂患者の顎顔面および歯列弓形態 : 口蓋形成手術例と未手術例の比較
- 北海道大学歯学部附属病院言語治療室25年間の構音障害初診症例の臨床統計
- スリランカにおける口蓋裂患者の言語障害について
- 下顎前突症患者の言語障害について
- 音声周波数刺激を用いた言語訓練について
- 口蓋裂言語障害に対する治療方針と言語成績
- 神経心理学レクチャー 小児の機能的構音障害
- 言語治療の立場から
- 混合歯列期の初期でtotal crossbiteを呈していた片側性唇顎口蓋裂患者に対する矯正治療の一例
- 9. 片側性唇顎口蓋裂を伴う骨格性下顎前突の症例(症例発表,第46回北海道矯正歯科学会大会)
- 北海道大学病院における口唇裂・口蓋裂患者の補綴治療について
- 全体構造法訓練による構音障害症例の変化について
- 外科的矯正治療を行った反対咬合患者の構音障害と構音訓練について
- スピーチエイドを装着した口蓋裂患者の鼻咽腔機能の改善について
- 外科的矯正治療を必要とした反対咬合患者の構音障害について
- 下顎歯肉扁平上皮癌の臨床的研究
- 12歳,男子の下顎に生じた顎骨中心性扁平上皮癌の1症例
- 臼後三角部および咀嚼筋・咀嚼筋隙へ浸潤した口腔癌に対する拡大摘出手術について
- The CO2 laser surgery in hemangioma of oral and maxillofacial regions.