側方結合のシナプス伝達のゲート作用は視覚野コラム形成にどのような影響を与えるのだろうか?モデル研究(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)
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概要
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我々は,一次視覚野側方結合のシナプス伝達におけるゲート作用がマップ形成にどのような影響を及ぼすのかを調べるために,膝状体-視覚野求心性線維の自己組織化シミュレーションを行った.その結果,ゲート作用がないモデルでは非周期的な方位マップが得られたのに対し,ゲート作用を導入したモデルでは周期的な方位マップが形成された.また,受容野の空間位相やサイン波状の運動刺激に対する応答の時間位相に関する分布を調べた.その結果,ゲート作用のないモデルでは位相を表現するコラム構造が得られたのに対して,ゲート作用を導入したモデルでは位相コラムは形成されず,同じ最適方位で180°の位相差をもつ二つの細胞が近接する場合も見られた.視覚野入力層における位相コラムの非存在は,視覚野上層における複雑型細胞の階層的形成にとって有利であることからも,側方結合のシナプス伝達のゲート作用はコラム形成において重要な働きをもつと考えられる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-03-01
著者
-
田中 繁
理化学研究所脳科学総合研究センター
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宮下 真信
理化学研究所・脳科学総合研究センター
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田中 繁
理化学研究所
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宮下 真信
国立沼津工業高等専門学校制御情報工学科:理化学研究所脳科学総合研究センター
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