ホオズキ葉から分離されたニジュウヤホシテントウの摂食刺激因子
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概要
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ホオズキに対するニジュウヤホシテントウの寄主選択機構を明らかにする目的で, ホオズキ葉中に含まれるニジュウヤホシテントウの摂食刺激物質の単離, 同定を試みた.ホオズキ新鮮葉のメタノール抽出物およびそのクロロホルム可溶区は単独でもニジュウヤホシテントウに対して摂食刺激活性を示した.またクロロホルム可溶区は水可溶区を加えることで活性が大幅に上昇した.これに対してブタノール可溶区, 水可溶区およびブタノール可溶区の濃縮途中に析出した物質(ブタノール可溶区沈殿物)は単独では活性を示さず, ブタノール可溶区およびブタノール可溶区沈殿物は水可溶区を加えることで, 摂食刺激活性を示した.特に, ブタノール可溶区沈殿物に水可溶区を加えた場合はクロロホルム可溶区に水可溶区を加えた場合と同程度の活性を示した.ブタノール可溶区沈殿物は各種分析の結果, ルテオリン7-O-グルコシドと同定され, 水可溶区を加えることで, 葉に含まれる濃度でニジュウヤホシテントウに対して摂食刺激活性を示した.以上の結果から, ルテオリン7-O-グルコシドは, ニジュウヤホシテントウがホオズキを摂食する上で一つの鍵物質として働いていると考えられた.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2005-11-25
著者
-
松田 一寛
東北大院・農
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松田 一寛
東北大学大学院農学研究科生物制御機能学分野
-
菅野 亘
東北大院・農
-
松田 一寛
東北大学大学院農学研究科
-
堀 雅敏
東北大院・農
-
堀 雅敏
東北大学大学院農学研究科
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荒木 佑子
東北大学大学院農学研究科生物制御機能学分野
-
菅野 亘
東北大学大学院農学研究科生物制御機能学分野
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臼井 義隆
東北大学大学院農学研究科生物制御機能学分野
-
堀 雅敏
東北大学大学院 農学研究科
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