神経細胞移植におけるプレイオトロフィンの効果
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概要
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パーキンソン病に対する治療の新しい試みに神経細胞移植がある.臨床試験において一定の効果が示されているが, ドナー細胞不足が大きな問題点となっている.幹細胞を用いたドナー細胞の開発が期待されているが, ドパミン(DA)ニューロンへの分化誘導および移植細胞の生着率の改善が大きな課題であり, 分化因子/生存因子の探索と解析が重要となっている.われわれは, DA入力が欠如した線条体に発現増加する栄養因子の1つとしてpleiotrophin (PTN)を同定した.PTNの処置により, 培養DAニューロンの生存が特異的に促進され, またES細胞由来神経幹細胞のDAニューロンへの分化が促進されることが明らかになった.さらに, PTNをドナー細胞の細胞調整時に処置すると, 移植後の生存細胞数が増加し, 運動機能が改善されることが明らかになった.以上のことから, DAが欠乏した線条体に発現増加するPTNの神経移植における有用性が示された.
- 2005-08-20
著者
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