早期診断により治癒しえたイレウス管留置によるSchonlein-Henoch紫斑病合併腸重積症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は55歳の男性で, 嘔気, 腹痛を主訴に近医を受診し, 入院.イレウスの診断でイレウス管挿入となったが, 改善しないため当院に紹介された.受診時, 強い嘔気を認めた.腹部単純写真で, イレウス管は弛みなく留置され, 胃は拡張していた.超音波検査, CTで, イレウス管を中心にして小腸が蛇腹状に手繰り寄せられ, 一部に腸重積を疑わせる所見を認めた.腹部症状が軽度であったため, 管抜去による保存的治療を選択したが, 症状は軽快し, 画像検査でも腸重積の所見なく経過した.また, イレウスの原因はSchonlein-Henoch紫斑病によると考えられた.イレウス管による吸引療法を行う際, 合併症の一つに腸重積の発症があることを念頭において経過を観察すべきである.また, 腸重積が癒着で強く固定する前に早期診断することができれば, 保存的治療での改善が見込めるため, 疑わしい場合には, 画像診断を積極的に行って病態の把握に努めるべきである.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2005-05-01
著者
-
加藤 紘之
斗南病院消化器病センター外科
-
加藤 紘之
北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科
-
加藤 紘之
北大第2外科
-
加藤 紘之
北海道大学大学院医学研究科癌診断治療学講座腫瘍外科
-
加藤 紘之
北海道大学腫瘍外科
-
加藤 紘之
北海道大学第2外科
-
加藤 紘之
北海道大学大学院癌医学専攻 癌制御医学講座腫瘍外科学分野
-
加藤 紘之
斗南病院(共済)
-
猪俣 斉
名寄市立総合病院第1外科
-
猪俣 斉
八雲総合病院外科
-
畠山 純一
八雲総合病院外科
-
佐藤 暢人
八雲総合病院外科
-
加藤 紘之
北海道大学
-
加藤 紘之
北海道大学大学院癌制御医学講座腫瘍外科学分野
関連論文
- 原発巣と同時に切除した腎細胞癌胆嚢転移の1例
- 腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した腸間膜神経鞘腫の1例
- 難治性高Ca血症を呈した副甲状腺癌縦隔転移の1例
- P-202 左肺底動脈大動脈起始症の1例(先天性)(一般示説21)
- PS-075-3 原発性肺癌再発症例に対するFDG-PETの有用性
- 内視鏡下生検部から出血をきたした巨大な十二指腸GISTの1例
- 糞塊貯留による虫垂重積症の1例
- 微小血管吻合を付加した門脈圧亢進症合併食道癌手術の経験
- CD8^+ tumor-infiltrating lymphocytes は CD4^+ tumor-infiltrating lymphocytes と dendritic cell と共に膵癌患者の予後を改善する
- PS-076-3 非小細胞肺癌におけるMLH1,MSH2発現の検討