てんかん患者家族の示す感情表出の特徴 : 発作非抑制患者に注目して
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概要
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長期薬物治療によっても発作が抑制されていないてんかん患者(男6名、女4名)の家族の感情表出(Expressed Emotion:EE)をCamberwell Family Interview(CFI)を用いて評価した。その結果、1) 高EEは7例、低EEは3例で、2) 高EEはすべてEOIが3以上であったが、CC>6タイプ(批判型)とW、PR>3タイプ(肯定型)があった。3) 批判型は不機嫌症が、肯定型はもうろう状態が合併していた。てんかんが、幼少より慢性に経過し、時に精神発達遅滞を伴うこと、また発作間歇期には、問題を示さない事が多いという臨床特徴は、家族が情緒的巻き込まれ過ぎ(自己犠牲と献身的行動、極端な過保護行動)に陥りやすいことが考えられる。これらはてんかん患者にとって心理的ストレスとなり悪循環的に発作誘発、または非発作症状の形成に影響を与えていることが考えられた。このことからもてんかん患者・家族への心理教育の重要性があらためて浮き彫りとなった。
- 日本てんかん学会の論文
- 2003-02-28
著者
-
牛島 定信
東京慈恵会医科大学精神医学教室
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須江 洋成
東京慈恵会医科大学精神医学講座
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牛島 定信
東京慈恵会医科大学精神医学講座
-
牛島 定信
中華人民共和国
-
中山 和彦
東京慈恵会医大 医 精神医学
-
高橋 千佳子
東京慈恵会医科大学精神医学講座
-
須江 洋成
東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部
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