東アジア地域を対象とした酸性降下物の沈着量測定(II) : 発生源寄与を中心とした検討
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概要
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東アジア地域における酸性汚染物質の降下量とその地域間収支を把握するために, オイラー型の3次元グリッドモデルを用いて, 硫酸および硝酸イオン沈着量の推計と発生源寄与率の推定を行った。解析対象年度を1990年とし, 解析領域を国別に大きく6つ領域にわけ, 各国の発生源が各地域に及ぼす寄与率と, 各領域における沈着量の発生源別寄与率を推定し, 考察を行った。更に, 日本列島を5つの領域に細分し, 各領域における沈着量と発生源寄与率について, 季節別に考察を行った。領域内の年間SO_x全排出量10896Gg.Sのうち8885Gg.S(81.6%)が, NO_x全排出量2886Gg.Nのうち2347Gg.N(81.9%)が, 当該領域内に沈着した。湿性と乾性沈着の割合はそれぞれ, 硫酸イオンで67%と33%, 硝酸イオンで56%と44%であった。総沈着量が最も大きかったのは中国であり, 単位面積当たりの沈着量では, 韓国と台湾が比較的大きかった。日本における硫酸イオン沈着量の自国の人為起源からの寄与率は36.6%であり, 火山と中国の発生源からの寄与がかなり大きかった。日本においては, 季節別には冬期に海外からの寄与が高く, 夏期には海外からの寄与はほとんどみられなかった。また, 冬期の日本海側において, 海外からの寄与率が特に高い傾向が見られた。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 1997-05-10
著者
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