SSR, STS, AFLPおよびRAPDマーカーを用いたモモの統合連鎖地図の作成

概要

論文の詳細を見る
モモの種内F_2集団を用いて, 94種類のSSR, 14種類のSTS, 34種類のAFLP, 24種類のRAPD, 3種類のISSRの各DNAマーカーと9種類の形態形質から構成される統合連鎖地図を作成した.本地図は178マーカーから構成され, 染色体基本数と同じ8連鎖群であり, 全長で571cMの遺伝距離を持ち, マーカー間の平均距離が3.2cMであった.本地図は, 42種類の共通のSSRマーカーを用いてヨーロッパPrunus標準地図と完全に対応付けをすることができ, 両地図間ではほぼすべてのSSRマーカーの連鎖関係と位置関係が保存されていた.また, Prunus標準地図と比較して, 本研究の連鎖地図はモモゲノムのほぼ全域を網羅していると考えられる.9種類の形態形質は4つの連鎖群に座乗していた.2種類のネコブセンチュウ抵抗性MiaとMjaは第2連鎖群上部の極近い位置に存在した.色に関する2つの形質, 花色(Fc)と核廻りの着色(Cs)は第3連鎖群に位置した.さらに, 果実における重要形質の1つである核の粘離性(F)は, 第4連鎖群の下部に位置した.異なる品種や種の形態形質を連鎖地図を基にして比較し, それらの関係について考察した.
園芸学会の論文
2005-05-15