心身医学研究におけるサイエンスとアート
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概要
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心身医学は, 全人的な医療の推進をその大きな目標としてきた. しかし, 「研究」という観点からみるかぎり, 過去の心身医学的研究は, 人間をトータルにみる「科学的な」研究視点を確立していたとはいえない. 心身医学の研究は, 当然のことながら, その最終目標を患者の幸福の実現におく. 患者とは, 「生物としての『ヒト』」としての側面と, 「個々の意志と感情をもち, 社会生活を営み, 互いに交流する主体としての『人間』」という両側面を合わせもつ存在であるから, 研究もその両側面に焦点を当てる必要がある. 「生物としてのヒト」をその対象とする研究は, 「生物科学的研究」とよばれ, 動物実験や分子生物学的な方法論によって行われ, 精神内分泌免疫系のネットワークを明らかにするなど, 心身医学領域においても有用な知見を提供してきた. しかし, 心身医学における研究は, 他の医学分野以上に, 「トータルな存在としての人間」に焦点を当てることを要請される.
- 日本心身医学会の論文
- 2005-02-01
著者
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