金属鉱物資源予測のために定義された富化比と鉱石価値の相関性
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概要
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鉱物資源の評価予測において,多金属鉱床の評価のために提案された富化比(ER) と鉱石価値(OV) から貴重な示唆が得られる。例えば,世界の鉱床は,鉱種には関係なく,高富化比―高鉱石価値(HH : 0.7%) 高富化比―高鉱石価値,(HM : 0.7%),高富化比―低鉱石価値(HL : 0%),中富化比―中鉱石価値(MH : 0.6%) 中富化比―中鉱石価値(MM : 51%),中富化比―低鉱石価値(ML : 13%),低富化比―高鉱石価値(LH : 0.02%),低富化比―中鉱石価値(LM : 17%),低富化比―低鉱石価値(LL : 17%) の9の範疇に分類できる。これらの範疇は,それぞれいくつかのキーワードで特徴づけられる。すなわち,HH は不整合とミシシッピー渓谷,HM は鉱脈,ML は砂岩,ストックワーク,鉱染,LMは正マグマ成,ラテライト,コマチアイト,化学的,LLは斑岩,鉱染,砂鉱床で特徴づけられる。一方,MM はいかなるキーワードによっても特徴づけられない。それぞれの鉱床の鉱種を富化比と鉱石価値で定義すると,金とニッケルはほぼ同じになるが,銅,銀,亜鉛は多少異なり,モリブデンと鉛は大いに異なる。定義により鉱種が異なるグループのうち,鉛と亜鉛は補完的である。すなわち,もしPb + Znという鉱種を定義すると,鉛あるいは亜鉛に分類される鉱床はいずれの定義にもとづいてもPb + Znと分類される。黒鉱型の亜鉛,浅熱水成銀,塊状硫化物型亜鉛,火山成亜鉛は一般的に副産物金属を伴うのに対し,正マグマ成クロム,化学的沈殿銅,砂岩型ウランは副産物金属をほとんど伴わない。
- 2003-08-25
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