白色度の違いを考慮した古紙パルプ系情報用紙のLCI分析

概要

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紙・パルプ製造業の環境負荷を低減させることは地球環境を考える上で重要である．本研究では古紙パルプ配合率100%の情報用紙を対象に，白色度の違いによる環境負荷の影響に対してLCI分析を行った．分析境界は原料である古紙の回収から薬品類製造，製紙，流通，消費，ごみ回収，焼却・埋立までとした．環境負荷項目として地球温暖化の原因物質であるCO2，酸性雨の原因物質であるSOx，NOxを選択した．主な結果として，白色度を57%から70%に向上させることで，総排出量でCO2は31%，SOxは104%，NOxは29%が増加していることがわかった．CO2排出量増加の原因は歩留まりの低下によるパルプスラッジの焼却量と化学薬品の使用量の増加に起因する．また，総環境負荷の中で，電力・熱供給に起因する部分がCO2排出量に対しては35%-37%，SOxに対しては68%-43%，NOxに対しては88%-90%と大きいことから，製紙工場でのエネルギー効率改善が環境負荷の改善に直接につながることを示した．
社団法人　化学工学会の論文
2002-05-20