円錐形袋網の付加質量
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概要
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物体が粘性流体中を非定常運動するとき、あるいは波浪などの非定常流中に物体が置かれたときには、速度に比例する抵抗のほかに加速度に比例する力が作用し、物体の質量が見かけ上増加したかのような現象を生ずることはよく知られている。その増加したかのような質量を付加質量と呼んでいる。古くから、球や円柱、円板などの幾何学的に単純な物体の付加質量は、実験的に、または解析的に求められている。漁業に使われている網漁具の付加質量について、宮崎はトーションペンドラム法を用い、またYamane and Iitakaは水中落下法で平面網地の振動周期による付加質量を測定した。傳らは造波水槽において、波力を計測することにより平面網地の波浪中の付加質量係数を求めた。そのほか、秀島は網地の代わりに、変形のない金網で作られた円型網生簀を用い、加速曳行することによりその網生簀の付加質量係数を計測している。これら、網漁具に関する一連の付加質量の研究は、対象としたものが網生簀を除いてすべて波浪場を想定した場合の平面網地の付加質量のみである。しかし、網地で構成された袋状の中層トロール網の付加質量に関する研究は見当たらない。本研究では、中層トロール網の挙動解析に必要な資料を得ることを目的として、その付加質量を明らかにすることにした。その第一歩として単純化した円錐形袋網について、曳行水槽において加速実験を行い、測定された流体力から、円錐形袋網の付加質量係数を求める。
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