精神科病棟の日常的な看護場面に発生する患者の攻撃と暴力 : 与薬場面と食事場面で発生した事例の検討
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概要
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本研究では,女性看護師が準夜勤に病室で与薬しているとき,患者にナースキャップを剥ぎ取られた場面と,朝食時に味噌汁を盛りつけていたデイルームで,患者に味噌汁をかけられてしまった2つの場面を検討した。結果,次の2点が示唆された。(1)患者からの攻撃は,与薬や食事の配膳などの日常的な看護場面を背景に繰り出されていた。日常的な援助場面における患者-看護師関係を見直すことが,暴力への進展を防止する重要な活動になる。(2)病状の変化しやすい患者からの意表をつく暴力は,患者の隠れた病状の変化が原因になっていると考えられる。このような事例では,看護師が個々の感受性を働かせ,病状が変化しやすい患者に対してはコミュニケーションを通じてリスクを減じる必要がある。このようにして病状変化やその可能性を見極めることができれば,突発的な攻撃の回避につながる。
著者
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