暴力と攻撃行動に対処する精神科看護実践の技術的諸相 : 「読みと見極め」および「身体準備性」について
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概要
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精神科臨床に見られる暴力と攻撃行動をめぐる問題は,軽視できない現象として注目を集めている。精神科看護師はこのようなリスクの高い状況に身を置きながら,患者の安全の確保と治療的な保護を目指してケアに取り組んでいる。本稿の目的は,精神科看護師が患者の救急場面や急性期状態をどのように認知し,どのような過程を経て事態の収拾に当たっているのか,その介入のメカニズムを明らかにすることにある。このために暴力や攻撃行動の場面に介入し,事態に首尾よく対処し収拾することのできた筆者自身の臨床経験を詳細に記述し,これを事例研究として分析・解釈しようと試みた。その結果,暴力や攻撃行動に介入している精神科看護師の認知の仕組みや行動として,「読みと見極め」および「身体準備性」の概念が抽出され,これらを蓄積するものとして「臨床経験のプール」が導き出された。また「臨床経験のプール」は,他の臨床家にも広く見い出すことができる照合・検索システムであることが示唆された。
- 弘前学院大学の論文
- 2007-03-31
著者
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