大学史教育を通じた進学適性の自覚促進に関する研究(3)中等教育と高等教育の接続関係改善に向けた大学情報提供の在り方について (附属学校の在り方)
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概要
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本研究は広島大学附属高等学校(以下,附属高)生徒の進学適性に対する自覚の形成に,大学史教育がどのように寄与できるかを考察しようとするものである。調査の結果,大学史の講義は生徒の興味を喚起する上で,事前調査段階での肯定的意見が否定的意見を20.5%上回り(表12より算出),講義実施後の調査では興味深いとした意見が24.5%上回った(表23より算出)。これに関連して受講前の期待に対する適合度は否定的意見を55.7%上回った(表22より算出)。このことから大学史講義は生徒から期待を受け,実施後はその期待を上回って好評であったことがわかった。講義内容に対する満足度についても肯定的意見が46.7%上回り(表25より算出),講義を同年代の他の高校生に推奨するかとの質問においても肯定的意見が上回った。さらに講義の続きを受けたいかとの質問でも,肯定的意見が否定的意見に比べ28.6%上回った(表28より算出)。大学史の講義を他の生徒に勧めたい理由として「大学のしくみについてよくわかったから」「自分の学校の歴史を知るのはおもしろいことだから」といった意見も寄せられ,講義開設の意義が生徒に受容されていることがわかる。
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