大学周辺住民によるキャンパスの利用と評価--広島大学東広島キャンパスを事例として
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概要
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本稿では, 広島大学東広島キャンパスの周辺住民がどのようにキャンパスを利用し, 評価しているかを明らかにするために, アンケート調査による考察を行った。周辺住民は, 自然に恵まれ, 美しく, 開放的なキャンパスとして, 基本的に好印象をもっている。キャンパス訪問は, 利用の満足度評価は, 施設利用においても, 行事への参加においても, 概ね良好である。さらに, 広島大学の立地については肯定的に受け止める住民が多く, 良い点として, 学生の存在や学生活動が地域に活気を与えていることが高く評価されている。しかし, 悪い点として学生のマナーの悪さが強く指摘されていることには留意が必要である。他方, キャンパス内に入っても良いことを知らなかったという住民が未だあり, 大学は周辺住民への広報をもっと強化する必要がある。本分析結果は, 今後の広島大学総合博物館の活動にも示唆を与えている。博物館は社会に開かれた大学の窓口としても役割を果たしうるという点である。We clarified using a questionnaire survey how neighboring residents of Hiroshima University utilize the university campus and what their evaluation was of the campus. The residents reportedly have a good overall impression of the campus, with its natural, beautiful and open environment. Most of the evaluations on satisfaction were good, not only regarding campus facility use but also for their participation in the events. In addition, many inhabitants rated the university campus highly. The presence and the activities of students were thought to add vitality to the local community. However, we noticed that the students were evaluated as having bad manners, which was commonly pointed out by the residents. Interestingly, some inhabitants did not realize that they were allowed to enter the campus. It is crucial for the university to provide public information to neighboring residents. The results suggest the direction the Hiroshima University Museum should take in the future. The university museum can play a role as a gateway for the university to open itself to the society.
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