鹿児島県垂水市本城地区におけるシラス台地周辺斜面の地形と崩壊
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概要
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鹿児島県垂水市本城地区のシラス台地は,約2.6-2.9万年前に姶良カルデラから噴出した異なる二つの火砕流堆積物から成り,斜面脚部には崖錐が発達している。 本研究では,空中写真および大縮尺の地図の判読,地形測量,簡易貫入試験,堆積物の観察,木本植物の樹齢測定,および放射性炭素年代測定を行い,当地域の斜面地形と地下構造を明らかにし,斜面崩壊の形態とその発生時期について考察した。調査地周辺の斜面は,上位から順に,頂部斜面,急斜面I,急斜面II,および崖錐に区分され,急斜面Iと急斜面IIの境界は,入戸火砕流堆積物と垂水火砕流堆積物の境界に一致する。崖錐上部には急斜面Iおよび急斜面IIの表層滑落型崩壊の記録が,崖錐下部には前者に加えて頂部斜面の表層落下型崩壊の記録が,それぞれ保存されていると推定された。表層滑落型崩壊は過去約50年間に1回,表層落下型崩壊は過去約800年間に2回発生したと推定され,従来指摘されている発生周期と調和的である。
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