鹿児島県志布志砂丘における暴浪時の地形プロセス
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概要
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鹿児島県志布志砂丘では,台風0416号および0418号の接近に伴う暴漁が原因とみられる地形変化が観察された。本研究では,当地域において,現地踏査,地形漸量,堆積物の観察および粒度分析を行い,海岸砂丘に生じる暴浪時の地形プロセスを考察した。砂丘は一部を除いて,海側から順に,草本に覆われる砂丘Aと海岸林の立地する砂丘Bに区分される。砂丘前面には,遡上波の侵食により平均1.5mの崖が形成された。さらに砂丘に達する越波が発生したためこ,砂丘Aで面状侵食による平坦化と植生破壊が起きた。また,砂丘Aでは木片およびゴミを含む軽石礫が,砂丘Bでは混入物のほとんどない砂が,それぞれ堆積した。後者の主な供給源は,後浜のうち暴浪時以外は風の営力が卓越する範囲と砂丘Aである。砂丘Aまで達する越波は過去に最低でも5回発生しているが,砂丘Bまで達することは比較的少ないと推定される。
- 鹿児島大学の論文
- 2007-03-29
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