ヨーロッパにおける産業クラスター戦略に関する一考察
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概要
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産業クラスターとは,特定の産業分野に関連する企業や大学などの各種機関がネットワークを構築し,さまざまな交流や連携を行うことによって,新しい研究や開発を推進して事業化を行いイノベーションが創出している状態のことである。ヨーロッパのライン河上流域に位置するBioValleyは,スイス,ドイツ,フランスの越境地域連合の域連携型の産業クラスターである。その地域内においては,各種の関連機関が集積して連携するとともに活発な活動を行い,さらに多くの企業や研究者を呼び込んで地域の競争力を高めている。一方,わが国においても地域経済再生のための方策として,全国各地で産業クラスター戦略が展開されている。産業クラスター戦略では,経済産業省の産業クラスター計画,文部科学省の知的クラスター創成事業による政府の積極的な施策も推進されているが,成功しているとは言い難い状況である。本稿では,ヨーロッパにおける越境地域に位置し,地域連携型クラスターとして各種関連機関の相乗効果を発揮しているBioValleyについて,その産業クラスター戦略としてのイノベーション創出の仕組みについて考察する。ライン河上流域に位置する越境地域のイノベーションの創出が見られるBioValleyにおける産業クラスター戦略の考察は,今後のわが国の産業クラスター戦略へのひとつのインプリケーションとなるであろう。
- 関東学院大学経済研究所の論文
- 2008-01-00
関東学院大学経済研究所 | 論文
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