病院の待ち時間について--病院はなぜ外来患者の待ち時間を短縮できないのか?
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿ではなぜ病院は外来患者の待ち時間を短縮できないのかについて理論的に分析する。とくに待ち時間の問題を病院への外来患者数と同時に病院側の医療サービス率,つまり単位時間内に診る患者数の両面から考察する。外来患者数に影響する要因として,病院の質を高めるための投資支出および費用愛好仮説に基づいた病院関係者の効用を高めるための患者一人あたり支出を,また医療サービス率を決定する要因として病院関係者の効用を高めるための患者一人あたり支出を考える。1 つの結論は,非効率的な病院で,病院関係者の効用を高めるための投資支出の「医師誘発需要」効果がほとんど働かない場合,そのような支出のわずかな増大によって,病院の待ち時間を大幅に短縮させることができるということ。医師誘発需要効果が強く働く場合には,その支出のわずかな増大は,逆に待ち時間を大幅に増大させてしまう。
- 関東学院大学経済研究所の論文
関東学院大学経済研究所 | 論文
- 技術の社会的収益と私的収益の比較 : アローの潜在社会的収益の再検討
- 技術ライセンスと販売地域制限
- 再生産構造の国際的展開と日本経済 : アジア規模での再生産構造における日本経済の位置
- 1985年以降日本における設備投資の産業連関構造 : 1985,90,95,2000年の固定資本マトリックスの検討を中心にして
- 1985年以降日本の再生産構造の変容 : 1985,1990,1995,2000年の産業連関表の組み替えによる