新規ピロリノン化合物Methyl 1-[1-(3,5-dichlorophenyl)-1-methylethyl]-2,3-dihydro-4-methyl-2-oxo-3-phenyl-1H-pyrrole-3-carboxylateのタイヌビエおよびイネに対する植物毒性におけるエステラーゼの関与

概要

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新規ピロリノン化合物methyl 1-[1-(3,5-dichlorophenyl)-1-methylethyl]-2,3-dihydro-4-methyl-2-oxo-3-phenyl-1H-pyrrole-3-carboxylate (PC-1)はタイヌビエに除草活性を有する.本化合物は, メトキシカルボニル基のピロリノン構造への導入によりタイヌビエとイネ間に良好な選択性を示した.PC-1の植物毒性の機構を解明するためにエステラーゼ阻害剤(リン酸トリフェニル, リン酸トリブチルおよびフェニトロチオン)とチトクロームP450モノオキシゲナーゼ阻害剤(1-アミノベンゾトリアゾール)がPC-1の作用に及ぼす影響を調べた.リン酸トリフェニルおよびフェニトロチオンは水耕と温室の試験においてPC-1の植物毒性を減少させた.ブタ肝エステラーゼはPC-1を1-[1-(3,5-dichlorophenyl)-1-methylethyl]-4-methyl-3-phenyl-3-pyrrolin-2-one (PC-2)に変換した.この反応はリン酸トリフェニルによって阻害された.PC-1を処理したタイヌビエ体中のPC-2の量は, イネ体中の4倍であった.これらの結果から, PC-1はプロドラッグでエステラーゼによってPC-2に変換されること, およびPC-1処理した植物体中に生成したPC-2量はタイヌビエとイネのPC-1に対する感受性に関係していることが示唆された.
日本農薬学会の論文
2005-11-20