オーストラリア、クィーンズランド州の特別支援教育プログラムの概要と課題:学校での活用場面を通して<海外動向>
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オーストラリアのクィーンズランド州では、学校を基盤とし、教育的支援提供を目的とした、小学2年時診断網(Y2診断網)、アサテインメント、アプレイズメントとよばれるアセスメントを実施している。本稿では、アサテインメントとアプレイズメントの内容を説明し、これらが実際に学校現場でどのように活用されているかを考察する。アサテインメントはニーズに基づく支援を提供するための手続きであり、段階的なインクルージョンを可能にしている。アプレイズメントは、小学校段階での学習困難児に対する診断とカリキュラムの修正を目的とした支援プログラムである。Y2診断網は、教師が実践を共有し、児童観察の力量を高められるという利点がある一方、発達段階表の一部が州のカリキュラムにあわないことや、教師の時間がとられるという批判もある。学校では、校長の責任の下、これらアセスメントが機能するよう学習困難援助教師や巡回教師らが学級担任と協働して活用している。
著者
関連論文
- インクルーシブ教育の展開に即した教員養成システムの国際比較(自主シンポジウム55,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 読み書き障害と学習障害の教育的把握と支援方策:国際的比較研究の動向にふれて〈特集:学習障害・読み書き障害〉
- オーストラリア、クィーンズランド州の特別支援教育プログラムの概要と課題:学校での活用場面を通して
- オーストラリアのインクルーシブ教育施策と合理的調整 : クィーンズランド州の動向を中心に
- 自閉症児オースチンとともに : オーストラリア障害児教育現地レポート (障害児教育の実践と授業づくり)
- オーストラリアにおける「学習困難」問題の展開と早期対応 : クィーンズランド州の場合
- 通常学級での特別支援教育に対する小・中学校の担任教師の意識構造とその影響要因