e-Japan戦略における戦略的プランニングの欠如と単層型ネットワーク設計の限界に関する考察
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概要
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e-Japanプログラム戦略は,「戦略」と明示されているにも関わらず,実際には戦術レベルの仕様も詳述されている。したがって,実施すべき戦略と戦術の間に時間的,技術的な不整合が生じている。本稿では,e-Japan 戦略における戦略レベルの問題点と,戦術レベル―特にネットワーク設計における技術展望―の不整合を指摘し,その齟齬を是正するための戦略目標の再定義と顧客満足度の向上に資するネットワーク構成の最適化について考察を行った。特に顧客満足度指標の導入は重要である。e-Japan 戦略では,ユーザアクセシビリティ,ユニバーサルサービスの向上が謳われているものの,それに対して評価を行う指標がない。これは運用時における自己監査が実施できないことを明確に示す。ネットワーク構成方法からも,行政主体が顧客満足度を真摯に向上させるモチベーションを持っていないことは明らかである。こうした乖離を抑止するためには,顧客満足に対してドライブのかかる指標と再構成の仕組みを予めシステムにビルトインしておく必要がある。
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