<国立科博専報>北海道伊達市有珠10遺跡5号墓出土の周産児骨
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有珠10遺跡5号墓より出土した人骨は少なくとも2個体に属し, 2個体のみと見なしても矛盾はない。そのうち1号人骨は残存骨の大部分を含む。2号人骨は右側肩甲骨の小片によって代表され, 他の少数の骨もこれに属する可能性がある。 1号人骨は周産期の胎児または新生児の骨と推定される。前頭骨の眉間部の形態, 上右第1乳切歯の舌側面に辺縁隆線が中等程度に発達しシャベル形を示すなどの点で, モンゴロイド的特徴が認められる。 2号人骨は1号人骨よりも2∿3週早い胎生期の個体に属する可能性が大きいと考えられる。両人骨とも, 著しい病変その他の形態的異常は認められない。
- 1988-12-01
著者
関連論文
- 伊豆地方出土古人骨資料の調査
- 徳之島・奄美大島における古脊椎動物学的・古人類学的調査の概要
- 北海道伊達市有珠10遺跡5号墓出土の周産児骨
- 茨城県南坪貝塚遺跡出土の縄文時代人骨(英文)
- 富山県氷見市大境洞窟出土人骨について
- 5. 人類学の立場より : 身体計測値に基づく異常診断 : (2)小奇形診断へのアプローチ