抗てんかん薬服用者にみられた髄液アミノ酸組成の異常 : 抗てんかん薬によるasterixisとの関連
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概要
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抗てんかん薬服用中のてんかん患者のうち, asterixisを呈する9例(I群)とasterixisを認めない8例(II群)ならびに抗てんかん薬を服用していない精神神経学的健常者9例(III群)を対象として, 髄液・血漿アミノ酸組成ならびに血漿NH_3濃度を調べ, 群間比較を行った。その結果, 1群の髄液中でのみglutamine(Gln)高値とlysine(Lys)低値という異常所見を認めた。髄液中のGlnとLysの濃度比は, 1群と他の2群とを96.2%の確率で正判別していた。抗てんかん薬減量後, 臨床症状の改善と血漿NH_3濃度の低下とともに, 1群患者の髄液所見は改善した。以上から, asterixisの背景には脳内に特異的に生じた可逆的なアミノ酸代謝障害の存在することが示された。また, このアミノ酸代謝障害をもたらす外的要因として, 抗てんかん薬の脳への一次的効果あるいは血漿NH_3濃度上昇を介する二次的効果の可能性が考えられた。
- 日本てんかん学会の論文
- 1990-10-31
著者
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