Clorazepateの小児難治てんかんに対する有効性について
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概要
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小児の難治てんかん38例にclorazepate dipotassium(CLP)をadd-on法にて投与し, その効果を検討した。症候性全般てんかん(19例)に対しては長期(6カ月以上)有効例はなく, 1ヵ月以内の一過性発作頻度減少が2例であった。症候性部分てんかん(13例)に対しては長期発作消失が3例, 長期発作頻度減少が2例であった。これらの有効例のうち4例は焦点性運動発作や二次性全般化けいれんを主体とする発作であった。焦点性か全般性か決定できないてんかん(6例)に対しては長期発作消失が2例, 長期発作頻度減少1例であった。長期発作消失の三例は徐波睡眠時に持続性疎徐波を示すてんかん, 他の1例と長期発作頻度減少の1例は全般性強直間代けいれんを主徴とする難治てんかんの姉弟例であった。これらの結果CLPは症候性部分てんかんのうち焦点性運動発作や二次性全般化けいれんを主体とするもの, および全般性強直間代けいれんを主徴とする難治てんかんに対して試みる価値のある薬剤と考えられた。
- 日本てんかん学会の論文
- 1991-10-31
著者
-
二木 康之
大阪府立母子保健総合医療センター小児神経科
-
藪内 百治
大阪府立母子保健総合医療センター小児神経科
-
大谷 和正
大阪府立母子保健総合医療センター小児神経科
-
岡本 伸彦
大阪府立母子保健総合医療センター遺伝診療科
-
田川 哲三
大阪府立母子保健総合医療センター小児神経科
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