手術にて切除し得たKasabach-Merritt 症候群を合併した回腸結腸カポジ肉腫様血管内皮腫の1 例
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概要
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症例は10 生日の男児,38 週1 日,出生体重3,242 g で出生したが,4 生日より発熱,哺乳低下を認め,前医にて敗血症性DIC(播種性血管内凝固症候群)と診断され治療が行われた.しかし検査所見の改善は乏しく,翌日より腹部膨満胆汁性嘔吐を認めるようになり,10 生日の単純CT 検査にて門脈内ガス像を認めたため,壊死性腸炎を疑われ当院に転院となった.腹部超音波検査,造影CT 検査にて回盲部から上行結腸に及ぶ血流の豊富な腫瘤を認め,腸管の血管腫によるKasabach-Merritt 症候群と診断し,13 生日に手術を行った.手術所見では回腸末端から上行結腸を全周性に置換する暗赤色の腫瘤を認め,内側は後腹膜にも及んでいたが,右半結腸切除術により腫瘍は全摘可能であった.病理組織検査によりカポジ肉腫様血管内皮腫と診断された.術後は,速やかに血小板は正常化して術後20 日目に退院した.術後1 年目の造影CT 検査では腫瘍の再発は認めていない.
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本小児外科学会 | 論文
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