皮膚顎口虫症:―組織内虫体染色と虫体除去について―
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概要
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皮膚顎口虫症において虫体を除去することは困難で, 現在までに自然排出例および自験例を含めて虫体を除去しえた症例報告は39例をかぞえるにすぎない。われわれの経験した患者の左側腹部にみられた孤立性丘疹の生検組織中で痂皮の直下に多数の好酸球に囲まれ, 頭部を表皮側に向けた虫体を検出し, 頭球の鈎の形および連続切片像から有棘顎口虫の第3期幼虫と同定した。虫体内には球のう, 頸のう, 側線などのほか, 大部分が好塩基性に染まる食道と褐色顆粒が大部分を占める腸管を認め, 組織化学的に食道はヘモジデリンを含み, 腸管上皮細胞内の褐色顆粒はメラニン類似の虫体固有の色素からなり, その褐色顆粒周囲にはかなり多くのヘモグロビンを認める。また, 本症の虫体除去について, われわれの経験した症例および文献的考察から, 丘疹, 小水疱の病型の場合は虫体が浅くに存在し, 比較的小範囲の切除で虫体除去が可能と考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
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