血球貪食性組織球肉腫の犬の1例
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概要
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動脈管開存症(PDA)による重度の心不全の犬において,貧血と血小板減少症および脾臓の腫瘤病変が認められた。内科治療により心不全の改善を図った後,脾臓摘出術を実施した。術後一旦全身状態は改善したが,貧血,血小板減少症,低アルブミン血症,肝不全,腎不全が進行し死亡した。病理組織学的検査により血球貪食性組織球肉腫と診断した。本症例の貧血および血小板減少症の原因は,脾臓の腫瘍組織における細血管障害性溶血性貧血と腫瘍細胞の血球貪食によるものとが考えられたが,脾臓摘出後も貧血および血小板減少症が進行したことから,腫瘍細胞による貪食が血球減少の主な原因であると考えられた。
著者
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安川 邦美
山陽動物医療センター
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森下 啓太郎
山陽動物医療センター
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中道 潤
山陽動物医療センター
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福井 健太
山陽動物医療センター
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下田 哲也
山陽動物医療センター
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田端 克俊
山陽動物医療センター
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植野 孝志
山陽動物医療センター
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