バザン硬結性紅斑とリンパ節結核を伴った壊疽性丘疹状結核疹の1例
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概要
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症例は33歳,女性.初診5年前より右頚部リンパ節腫脹.1年前より左頚部リンパ節腫脹と共に皮疹出現.初診時両頚部に大豆大までのリンパ節多数触知,肘頭,膝蓋,下肢,臀部に,中央に痂皮ないし小潰瘍を伴った丘疹が散在.足関節周囲に暗紅色の皮下結節を認めた.組織学的に臀部丘疹は壊疽性丘疹状結核疹,右外顆下方はバザン硬結性紅斑,頚部リンパ節はリンパ節結核と各々ほぼ典型像を示した.ツ反は前腕全体が腫れる程の強陽性を示した.患者リンパ球をPPD10~30μg/mlと共に培養したところ,ツ反弱陽性の対照健常者に比べ,強い幼若化反応を示した.尚,過去20年間における壊疽性丘疹状結核疹の報告例を集計し検討したところ,30代の女性に発現頻度が高く,合併症を持つものでは,ほとんどのものがリンパ節結核,バザン硬結性紅斑等の結核性疾患であった.近年,年間登録結核患者数は年度ごとに減少しているが,これに一致した壊疽性丘疹状結核疹の漸時減少傾向はみられなかった.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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