女子顔面黒皮症の成因に関する研究
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概要
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女子顔面黒皮症に対する香粧品成分の病因的役割を検討するために,本症の23例に貼布試験及び光貼布試験,さらにその4例に,反復貼布による皮疹再現試験及びその組織学的検討を行い,以下の結果を得た. 1)香粧品成分貼布試験では,23例中15例 (65%) が本邦基準の(+)以上,さらにその11例 (48%) が(++)以上の陽性反応を呈した. 2)成分別の陽性頻度では R-219 及び Benzyl Salicylate に頻度が高かった・ 3)同一人において2~8種の多種抗原に対し(++)以上の陽性反応を呈したものが7例にみられた. 4)反復貼布を行った4例の全例に貼布部における色素沈着の発現が認められた.うち1例での色調は,顔面の色素沈着に類似しているのが認められた.組織学的にも検討した3例の全例に色素失調の発現が認められた. 以上より,女子顔面黒皮症例の多くが貼布試験陽性物質によるアレルギ一性接触皮膚炎の繰り返しにより,組織学的色素失調を伴う特有の顔面皮疹を生じた可能性の高いことを結論した.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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